トラクターだけで落水口設置 水田転換小麦の排水対策 三重・JA伊勢が試験
同町では、水田転作で小麦を栽培することが多いが、畑作物の栽培を想定した基盤整備が行われていない。地表排水の能力を左右する落水口の位置が浅い農地が多い。そのため、明渠(めいきょ)を敷設しても、明渠に水がたまるなどしてうまく排水できないことが多いという。こうした農地では、湿害の影響で収量が低い。
そこで、県農業研究所が開発を進めている排水管埋設装置を使って落水口を新設し、排水性の改善を目指す。同装置は、排水管埋設装置を農業用トラクターに直装して使う。トラクターを前進させると、装置の後方に付いた縦刃が土壌を切り、縦刃の下部に取り付けた埋設ヘッドが排水管を土中に引き込む仕組み。
設置試験には県農業研究所と伊勢志摩地域農業改良普及センターが協力。JA管内の小水知加子さんの農地2カ所に設置した。小水さんは「新技術で少しでも排水が改良されたらうれしい」と期待する。
JAは今後、排水効果を検証して、装置の導入を検討していく予定。同研究所は装置を商品化できる企業を探している。