農業用発光ダイオード(LED)機器を販売する豊川温室(愛知県豊川市)は、新発売の捕虫器「ネクスライトキャッチ」を紹介。6ワットの弱光で作物の生育に影響を与えず、アザミウマ類やカメムシ類などを引き寄せて捕まえる。コチョウラン栽培などの補光に使う照明器具「ネクスライトチューブ」もPRした。温暖化でハウスが暑くなりすぎるため、遮光時間を長くする傾向があり、需要が高まっているという。「太陽光に比べ育成のタイミングを調整できる」(同社)のが利点だ。
イーズ(東京都港区)は大風量のヒートポンプ式空調機「ぐっぴーバズーカ」2機を展示。近年、夏の暑さで花芽が付かないとの訴えが多く、冷房用途で導入が進む。電気を温度に変える効率に優れ、消費電力が低いのが強み。水洗いができ、耐用年数が長いのも特長だ。熱中症対策で倉庫などにも採用されている。
電話機メーカーのナカヨ(前橋市)は、遠隔制御と自動制御を合わせた施設栽培向けの生育管理システムを提案。遮光や窓の開閉などハウス内の環境制御を遠隔で行える。同社は無線を使う通信機を得意とし、農業用に応用。独自プロトコルによる長距離無線で「電波干渉の少ない無線帯域を使うので安定して使える」と売り込む。来年度以降の発売を見込む。
除草の省力化に向けて、特徴的な機能を持つ草刈り機の展示も相次いだ。
タイヤ間の幅が細くなるように変形することで、畝間も作業できる草刈りロボット「ウネカル」を紹介したのは、フィールドワークス(新潟県長岡市)。変形後はタイヤ間の幅が44センチから20センチとなり、狭い畝間にも入れる。刈り幅は30センチで畝間以外でも使える。ネギなどで利用が多く、埼玉県深谷市の農家は3人で2日かかっていた10アールの除草を2人で4時間にまで短縮できた。

タンクなどを別に付けることで、除草剤散布も行える。山岸開社長は「サツマイモも適している可能性がある」と見る。実演やレンタルの相談も受け付けている。
ユニック(東京都足立区)は、カメラ付きのオール電動遠隔操作型草刈り機を初公開した。「暑い夏の時期でも涼しい日陰から映像を見ながら除草できる」(開発部)。前後にカメラが付いており、手元のコントローラーの画面を見ながら、約300メートルの距離まで遠隔操作できる。住宅のコンセントで充電可能で、最高速度は時速3・7キロ。刈幅は50センチ。後退時や45度の斜面でも草を刈れる。重量も104キロと大きさの割に軽い。
(小林千哲、柴田真希都)

