第19回
大 賞
日本農業新聞は11日、東京都内で開く日本農業新聞全国大会で「第19回一村逸品大賞」を表彰する。大賞には群馬県JAたかさきの「高崎生パスタ」が輝いた。金賞2点「丘のおかしダイスミルク」(北海道JAびえい)と「球磨茶ぷりん」(熊本県JAくま)、審査員特別賞「リンゴにカシスを入れちゃいました!」(青森県三浦醸造)も表彰する。中央審査会は3月10日、漫画家のやくみつるさんを審査委員長に開かれた。
「一村逸品大賞」は日本農業新聞に掲載された商品の中から選ばれる。2022年の掲載は188点、審査会への応募は60点だった。
大賞、金賞、審査員特別賞の他、優秀賞には冷凍フライドポテト「彩りポテト(旧ポテトい・ろ・かると)」(北海道なな実)、「山椒(さんしょう)がすごいノンオイルドレッシング&ソース」(和歌山県JAありだ)、「里芋あんあん」(愛媛県JA周桑)が選ばれた。
大 賞
高崎生パスタ
群馬・JAたかさき
もちもち味わい深く
群馬県のJAたかさきが販売する。全国有数の小麦産地で「パスタのまち」といわれる高崎市産の小麦「きぬの波」を100%使用して、卵も市内産にこだわっている。共同で開発した市内の吉田製麺が、製造を手がける。うどん用として開発された「きぬの波」を使うことで、小麦の香りともっちり感が楽しめる。 お薦めの食べ方は、小麦本来の味や香りを楽しむことができるペペロンチーノだ。市内にある小学校2校の給食で提供している。
JAたかさきの直売所「グル米四季菜館」3店舗で取り扱う。2食入り598円。問い合わせはJA経済部、(電)027(352)5288。
金 賞
丘のおかしダイスミルク
北海道・JAびえい
牛乳さくさく食感に
北海道のJAびえいが製造する。美瑛町産の生乳を使った、生クリームをフリーズドライにした。さくさくの食感が特徴。アイスクリームのような味わいと軽い食感を楽しめる。 丘のおかしシリーズは2016年に発売。ダイスミルクや焼きとうきびなど、5種類のフリーズドライを商品化した。JAは販売力を強化するため「丘のおかし」と「ダイスミルク」の商標登録を取得した。JAのアンテナショップ「美瑛選果」で1袋(40グラム)432円。問い合わせは同ショップ、フリーダイヤル(0120)109347。
北海道・びえい
球磨茶ぷりん
熊本・JAくま
ふくよかな一番茶を
熊本県のJAくま特産「球磨茶」をペースト状にして生地に練り込んだ滑らかな食感が特徴だ。厳選した一番茶を使い、渋味が少なく「球磨茶」のふくよかな風味が味わえる、和風の仕上がりだ。 JAくま直販センターは、特産品を使った独自商品の開発に力を入れる。この商品は昨年1月から発売し、現在は贈答用にも人気となっている。1個(88グラム)360円で、店頭以外にも同センターのオンラインショップやAコープくま各店で販売。問い合わせは同センター、(電)0966(38)1234。熊本・くま
審査員特別賞
リンゴにカシスを入れちゃいました!
青森・三浦醸造
青森県が生産量日本一のリンゴとカシスをぜいたくに使用。隠し味に使うラム酒を含めて原料は、全て無添加にこだわる。 甘味と酸味のバランスが絶妙で、クリームチーズなどの乳製品や生ハムのような塩味のある食材との相性が抜群だ。
三浦醸造の店頭や青森県観光物産館アスパム(青森市)などで販売。1瓶(150グラム)734円。問い合わせは三浦醸造、(電)017(788)0240。
青森・青森
優秀賞
彩りポテト
北海道・農業生産法人「なな実」
「男爵薯」「ノーザンルビー」など色合いと味わいが異なるジャガイモが1袋で楽しめる。カラフルで「映える」として人気だ。 凍ったまま140~160度の油に入れ、3、4分揚げ芋が浮かぶと食べ頃。トースターやオーブンで焼くのもお薦めだ。
函館市にある直営店「じゃがいもFACТОRY」の他、近隣の道の駅などで販売。ネット通販にも対応する。500グラム×3袋セット、3240円。問い合わせは同店、(電)0138(83)5254。
山椒がすごい
和歌山・JAありだ
1本(225グラム)700円で、3種アソートは1800円。JAのECショップや直売所「ありだっこ」の他、JAタウン内のECショップでも販売する。問い合わせは、(電)0737(53)2324。
和歌山・ありだ
里芋あんあん
愛媛・JA周桑
愛媛・しゅうそう
審査委員長 やくみつる氏
バリエーションが楽しい
大賞の「高崎生パスタ」は〝もちもちの極み〟と言うべき食感が素晴らしい。太くて食べ応えがあり、短いゆで時間で本格的な味を楽しめます。昨年金賞だった群馬県JA上野村の「猪豚(いのぶた)のミートソース」をかけると絶品で、県産品各種と合わせ群馬の顔として売り出せば、王道商品になるでしょう。 「丘のおかしダイスミルク」は、生乳余りなど乳製品情勢が厳しい中、幅広い世代が好む菓子にして、かなりの額を売り上げていて金賞にふさわしい。手頃な土産に最適です。
「球磨茶ぷりん」は化粧箱にしおり入りで進物用として抜きん出ています。想像を裏切らないおいしさで高級感があり、これをもらうとうれしいでしょう。
審査員特別賞の「リンゴにカシスを入れちゃいました!」は、カシスの風味が鮮明で、むしろ主役です。青森弁で宣伝したらギャップがあって面白いかもしれません。
優秀賞の冷凍フライドポテト「彩りポテト」は、芋の種類の多さに驚きます。食べ比べができ、揚げなくてもトースターでホクホクになります。
「山椒がすごいノンオイルドレッシング&ソース」は、サンショウの風味が後から利きインパクトがあります。
「里芋あんあん」は、芋の味が主張し過ぎず、どら焼きとしての完成度が高いです。