![梅の木の前で笑顔を見せる黒澤さん(左)と田所さん(埼玉県越生町で)](/media/2023/09/22/l/20230922_2s86tnxfh945abqjqxwj.jpg)
![地域発 未来へ](/media/2023/04/02/l/20230402_sch3orq1h18fjcjxpeqr.jpg)
担い手塾の指導農家で、JA越生支店梅部会に所属する同町の黒澤光治さん(75)は、今年から田所誠一郎さん(58)を指導している。黒澤さんは「江戸時代から続く越生町の梅を絶やしたくない」と、町からの要請に応えた。
田所さんは食品関係の会社を退職し、昨年から援農ボランティアに参加するなどし、梅農家を目指してきた。梅は、初期費用があまりかからず、同町の特産品という知名度がある。昔から作物を育てて販売することに興味を持っていたため、担い手塾に入った。
「持続的な産地づくりを」
田所さんは現在、約30アールの園地に30本ほどの梅を栽培。今年からJA飯能農産物直売所に約200キロ出荷した。
黒澤さんは「梅栽培に興味を持って熱心に取り組んでくれる姿を見て、安堵(あんど)している。同町は、とても穏やかな人が多く、人間関係が良好。引き続き梅を生産する者同士、関係性を大切にしたい」と期待する。
田所さんは「黒澤さんは近隣の農家同士だけでなく、幅広く付き合いがあり、うらやましく思う。梅の品質や収量、生産性はもちろん考慮しつつ、地域の輪に貢献できる農家を目指したい」と笑顔で話した。
JA営農企画課の正木昭光課長は「今後も指導農家の協力の下、積極的に後継者の育成に取り組み、持続的な産地づくりを目指したい」と未来を展望する。