同県つがる市の屏風山地域は水はけのいい砂丘地帯で、昼夜の温度差が大きく、糖度の高いメロンを栽培するのに適した地域だ。同市は、もともとスイカの栽培が盛んな地域。メロンと栽培方法が比較的近いため、メロン産地としても発展し続けている。
JAでは、2016年から近隣のJAつがるにしきたとメロンの選果と出荷を一元化し、まとまった数量を確保して出荷することで市場からの信頼を得てきた。
一方で課題もある。高齢などの理由から、育苗作業を請け負う農家が減少しているからだ。JAでは、生産量の維持と生産者の労力軽減を目的として、メロン苗の栽培管理する育苗施設を整備し、品質の良い苗の安定供給に努めてきた。
また、7月には選果機に新たに「鮮度保持装置」を導入する。近赤外光を照射することで、その後の蒸散しなび、かび、腐りなどを抑制することが期待できる。輸送による傷みや老化も抑制し、糖度や果実硬度を維持したまま市場へ届けることが可能となる。
4月上旬、ハウス4棟でメロンを栽培する長谷川秀樹さんは定植作業を進めていた。「生産者にとって、JAでの共同選果は省力化になって助かる。精度の高い選果で安心して出荷している」と話す。
今後、26年産出荷までにGIの取得を目指す。他産地品との差別化を図り、販売価格の上昇につなげたい考えだ。現在、自治体などからの指導を受け、申請作業を進めている。
JAは24年産の販売数11万ケース(1ケース8キロ)、目標販売金額3億5000万円としている。
長年メロンの栽培指導や販売に携わってきたJA経済課の片山和善課長は「万全の出荷体制を整え品質維持に努め、全国につがる市産のおいしいメロンを出荷したい」「地域と共にブランド力を高め、いずれは『メロンといえばごしょつがる』と呼ばれるよう、心血を注いでいきたい」と意気込む。