今は野菜が好きですが、子どもの頃は苦手でした。それを克服するため、母は切り方を変えるなどいろいろ工夫をしてくれました。おかげで少しずつ野菜が好きになり、肉じゃがもおいしく食べられたんです。味覚が育まれる時期の母の努力に感謝しています。
母は料理について、いろいろなレパートリーを持っていました。お酒が好きなので居酒屋とかに行っていたようで、そこで食べておいしいと思ったものを家で作ってくれたんです。居酒屋のおつまみが、ご飯のおかずとしてうまくマッチしていたと思います。
おやつとして好きだったのは、揚げパンと魚肉ソーセージ。
揚げパンは給食で食べたのがおいしくて、それで好きになりました。
魚肉ソーセージは、アニメのキャラクターなどのカードが入っているのがあったんですよ。一袋に小さいソーセージが4本くらい入っていて、カードが付いていました。それをよく食べていました。
不思議なもので、魚肉ソーセージはいつしか食べなくなってしまいました。でも今回「100秒の拳王」という映画に出演させていただき、魚肉ソーセージをよく食べるという設定の主人公を演じたんです。役を頂いた時から、日常生活でなるべく魚肉ソーセージを食べるようにしました。意外なことにコンビニでは売っていないので、スーパーに行って買いました。いろんな商品を食べて、味の違いよりむしろ食感の違いを楽しみました。子ども時代と同じように、キャラクターのカードが入った商品もあります。それは細くて、食べるととても懐かしく思いました。また、カード付きではない太めのソーセージはしっかりとした食べ応えがあり、これもいいなと感じました。
映画での僕の役は、拳で戦う男です。そのため体づくりもしなくてはいけません。良質のたんぱく質を取ると同時に、脂質や糖質も取るために高カロリーの食事を続けました。
僕はお米が好きなので、ご飯の量を増やしました。ご飯がいっぱいあれば、それに伴っておかずも食べられる。ご飯を食べることで健康的に太ることができると思い、続けました。それと子どもの頃からカレーが好きなので、カツカレーを食べたり、チーズをトッピングするなどしました。それで撮影前の1カ月で、体重を4キロ増やせたんです。体重は増えても体脂肪率が上がったのではなく、筋肉が増えたわけです。
撮影は去年の今ごろに終わりましたが、僕は体づくりに目覚め、その頃の食事と筋トレを続けることに。たんぱく質は、1日200グラム弱くらい取っています(成人男性の1日摂取の目安は約65グラム)。取り過ぎると尿路結石などの問題が発生しますので、野菜をたっぷり食べ、運動をすることで調整しています。
トレーナーはなしで、自分自身で栄養やカロリーを計算します。ドレッシングはゴマが好きなんですが、カロリーが高い。それで青じそドレッシングにするなど、けっこうストイックにやっています。でも一つだけ甘えているものが。揚げパンはやめられません。扱っているキッチンカーを見るとつい行っちゃいますし、自分でコッペパンを買ってきて、家で揚げてきな粉を付けて作るんです。食べたい物を我慢するのは良くないと思い、「揚げパンは別腹」と言って食べています。
(聞き手・菊地武顕)