特産茶で…ととのう サウナ発、香る「ロウリュ」 喉潤す玉露
サウナの日を日本記念日協会に申請した日本サウナ・スパ協会によると、現在のサウナブームは2014年ごろから続く。最近は小規模サウナやイベントが増えているという。
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こうした中、独自性を出そうと趣向を凝らすサウナも多い。佐賀県武雄市にある御船山楽園ホテルの大浴場「らかんの湯」では、男性用サウナで利用者自ら焼けた石に嬉野茶を注ぐ「ほうじ茶ロウリュ」を行う。サウナ好きの小原嘉久社長が「県産素材で何かできないか」と探す中で茶に行き着いた。嬉野市の茶師が専用に焙煎(ばいせん)した茶葉を仕入れ、ホテルで毎日抽出する。新鮮な香りが売りで、日帰り客も予約待ちとなる人気だ。
福岡県八女市の健康増進施設「べんがら村」は22年4月にサウナを拡充。カフェも新設し、飲料やスイーツなど八女茶メニューを10程度そろえる。水分補給につながる飲料に力を入れ、ラテやスムージーに加え、茶葉に湯を注いで風味を楽しむ「八女玉露セット」(400円)や八女茶を入れるビールもある。指定管理者であるYMサービスは「海外の人も含めて好評で、八女茶を知る機会になっている」と話す。
農家自ら提案
静岡県では県内若手茶農家7人が、サウナと茶を一緒に提案する「T―GATE(ティーゲート)」を結成。県内イベントなどに合わせてテントサウナを設置したり、サウナ施設に出向いたりして、香りが出る専用の茶を使った「ロウリュ」を実施。サウナ後にも静岡茶を提案する。
メンバーで宇津山製茶(浜松市)の宇津山公啓さん(45)は、サウナでタオルをあおいで熱気を送る「熱波師」の資格も取得した。「茶は長い歴史の中で常に進化してきた。サウナで香りを楽しむのも新しいスタイル。生産者に面白く、客も喜ぶように、需要を喚起したい」と話す。