原産地表示変更1年 国産シイタケ堅調 輸入菌床減り入荷少なく
生シイタケは近年、植菌済み菌床を中国から輸入して栽培した、安価な商品の流通が増えていた。消費者が誤解せずに商品を選べるよう、消費者庁はルールを改正。昨年10月から植菌地を原産地とした表示が始まった。
昨年10月以降、生シイタケ流通量は減り、国産は堅調相場が続く。日農平均価格(各地区大手7卸のデータ)は過去1年間、全ての月で過去5年間の最高値を記録。9月の7卸取引量は平年(過去5年平均)より11%少なく、価格は1キロ933円と同7%高だった。
東京の青果卸は「改正後に仕入れ先を切り替えたスーパーは多い」と話す。輸入菌床由来の安価な品の流通減が価格に一定程度、影響しているとみる。別の青果卸からは「資材費や電気代の負担が増し、廃業する生産者もいると聞く。ルール改正以上に、コスト増による生産減が高単価をもたらしている」との指摘もある。
今年は天候不順で品薄の品目も多く、秋商材として引き合いは強い。JA全農あきたは「先週に春夏菌から秋冬菌へ切り替わって増量し、10月中旬からピークに入る」と話す。それでも各産地とも夏の高温と電気代高騰で培養中の温度管理が難しく、入荷量に影響する可能性がある。相場は強含みの展開が続き、年末の需要期は不足するとの見方が強い。