全国の1等米比率は前年同時期比では16・2ポイント下落した。都道府県別で10ポイント以上下がったのは新潟の他、秋田、宮城、山形、福島、茨城、富山など。等級低下の理由について同省は「高温・渇水で白未熟粒が増えた」(穀物課)と説明した。
23年産の9月末までの検査数量は全体の4割。同省は今後、北海道や東北の産地、晩生品種の検査結果が反映されると、「(1等米比率は)上がっていく傾向がある」(同)としている。
品種別に見ると、全国の「コシヒカリ」の1等米比率は47・4%(前年同時期より23・2ポイント下落)だった。新潟県では3・6%(同76・6ポイント下落)と大きく下がった。
高温下でも白未熟粒になりにくい特徴を持つ高温耐性品種のうち、新潟県の「新之助」、富山県の「富富富」は、1等米比率9割以上を維持した。
一方で、1等米比率を落とした耐性品種もあり、「こしいぶき」15・9%(同46・2ポイント下落)、「きぬむすめ」68・4%(同16・9ポイント下落)、「つや姫」66・3%(同5・8ポイント下落)となった。いずれも1、2等合わせれば、9割を維持する。
宮下一郎農相は同日の閣議後会見で「高温耐性品種への転換や対策技術の導入をさらに進める必要がある」と述べた。同省は23年度補正予算でこれらの支援を具体化する。