テレワーク普及、「転職せず居住」に関心
集計は、都道府県や市町村が設けている窓口に寄せられた相談と、移住イベントでの相談の合計。総務省が15年から調査しており、開始当初の14万1683件と比べると2・6倍に増えた。
41都道府県で21年度より増加した。21年度からの増加率で見ると、市町村を含む都道府県別では大阪が80%で最多。佐賀60%、愛媛45%、沖縄41%、群馬40%と続いた。
相談件数が最も多かったのは、長野県(1万8184件)で開始以来、8年連続でトップ。東京圏や名古屋圏からのアクセスの良さに加え、対面やオンラインを組み合わせて相談やイベントを行ったことが奏功した。
「単に市町村を紹介するだけでなく、地域を知ってもらう入り口として、移住セミナーのテーマを工夫している」と長野県信州暮らし推進課の担当者。農業や林業、祭り、「冬の過ごし方」「まきストーブのある暮らし」など、さまざまなテーマでセミナーを開き、ファンを増やしている。
2位は兵庫県(1万7921件)、3位は福島県(1万7267件)で、昨年と同じ順位だった。
総務省の担当者は、いずれの県も以前から移住や、地域と関わる関係人口を増やそうと力を入れてきた自治体で、大都市圏から近いといった共通点があると指摘。「これまでは移住すると仕事と住まいをセットで探す必要があったが、テレワークの普及で移住へのハードルが下がったのでは」と分析した。