環境負荷低減、要件に 27年度から全補助事業 本格実施へ農水省検討
クロスコンプライアンスは、最低限の環境負荷低減の取り組みを補助事業の要件とする仕組み。肥料や農薬を必要量だけ使うといった、農家が従来から実施している取り組みを明確化する。生産現場の努力を示すことで、消費者の行動変容を促し、生産から消費までの持続可能性を高める狙いがある。
具体的には、事業申請時に①適正な施肥②適正な防除③エネルギーの節減④悪臭と害虫の発生防止⑤廃棄物の発生抑制、循環利用・適正処分⑥生物多様性への悪影響の防止⑦環境関係法令の順守――といった基本的な取り組みについて、実施内容をチェックシートで提出するよう求める。事業実施後は、実際に取り組んだ内容の報告を義務付ける方向だ。
政府は食料・農業・農村基本法見直しを巡り、環境負荷を低減する持続的な農業の「主流化」を提起。6月に閣議決定した「新たな展開方向」は、「最低限行うべき環境負荷低減の取り組み」を明らかにし、各種支援の実施が「環境に負荷を与えることにならないように配慮していく」としていた。