リンゴ品薄3割高 上位等級、引き合い集中
20日のリンゴの日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は、平年(過去5年平均)比29%高の1キロ388円だった。11月中旬の取引量は同15%減と少ない。晩生種「ふじ」の出荷が本格化したものの、早生種と中生種同様に凍霜害による着果量の減少と、高温による日焼け果の発生で品薄高傾向が続いている。
ギフト需要が堅調な上位等級の不足感が目立つ。東京の青果卸は、凍霜害によるさびの発生や暑さによる着色不良で、「上位等級が平年に比べて少ない」という。
主産地の青森県のJAによると、糖度が高く食味は良好で着色基準も満たしているが、「さびの発生が多く、ギフト向けの等級は平年の半分以下の数量」という。
年末の歳暮需要に向けて、今後さらに引き合いは強まる。輸出や産直ギフト、個人贈答などの「市場外流通に上位等級が流れ、品薄感から高値が続く」(東京の青果卸)見通しだ。