業務向けイチゴ不足感 Xマス商戦迎え2割高
JA全農とちぎによると、JA系統の本年に作付けした面積は「とちあいか」が255ヘクタールで、前年比2・2倍に増加。「とちおとめ」は同5割減の157ヘクタールとなり、初めて「とちあいか」が上回った。
「とちあいか」が生食向けに量販店などで支持を高める一方、「とちおとめ」の出回り減によってケーキなどでクリスマスに向けて高まる業務向けの取引に影響が出ている。
業務需要のピークを迎えた12月中旬のイチゴの日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は、平年比19%高の1キロ2392円だった。ケーキの上に載せるイチゴは形や大きさのそろいが重要とされてきた。「とちあいか」の中心規格「グランデ」は「生食向けの規格で形やサイズが不ぞろいになりやすい」(東京の仲卸)として、現状、業務筋への仕向けが限られている。
「とちあいか」は病気に強く、「とちおとめ」に比べ大玉で、面積当たり収量を確保できるため「効率よく生産でき、シーズンを通した高価格販売も期待できる」(JA全農とちぎ)。一方、来年以降も見据え、産地は実需への情報発信に努め、理解を獲得していく姿勢だ。