全JAで環境調和農業 地域ごと施策立案 全中方針
「みどりの食料システム戦略」の推進や、環境負荷への配慮を補助事業の要件とする「クロスコンプライアンス」の導入を見据え、検討を進めてきた。所得向上や食料安全保障などの確保と環境負荷低減の両立を重視する。
「基本的取り組み」では、水稲、園芸、果樹で①化学肥料②化学農薬③温室効果ガス④プラスチック──の削減に向けた取り組みを列挙。具体的には、土壌診断に基づく適正施肥や、予防、予察を重視した「総合防除」の強化、廃プラスチックの適正処理の徹底などを提起した。
各産地・JAは、基本的取り組みを踏まえ、地域実態に応じた具体策を検討する。例えば水稲では、「秋耕」や「中干し延長」を基本にするが、実践しにくい地域もある。こうした地域は代替策などを検討し、地域独自の施策に反映させる。
畜産では、環境調和型農業で生産した飼料や、堆肥の活用などを基本に取り組む。
試行も含めて取り組みやすいものから段階的に実践する。みどり戦略に基づく「基本計画」や戦略を定める自治体との連携も強化。地域の話し合いを踏まえ、JAの地域農業振興計画や中期経営計画に盛り込む。
全中の山野徹会長は同日の定例記者会見で、農家所得確保との両立に向け、「環境負荷に配慮された国産農畜産物を(消費者に)積極的に選んでもらえるよう呼びかけていく」と述べた。