開発したのは「通い農業支援システム」。ハウス内には、「ワイオ・ノード」というマイコンと防水温度センサー、通信用のWi-Fiルーターなどを組み合わせた測定装置を設置する。測定したデータは、自宅や事務所に設置する小型コンピューター「ラズベリーパイ」で受信・保存してグラフ化し、LINEに通知する。これらの部品は、インターネット通販サイトで購入できる。
設定した時間ごとにハウス内の温度を通知するだけでなく、温度の日平均値や最大・最小値の送信、設定した温度を超えた場合の警報を出すこともできる。センサーを追加すれば、湿度や土壌水分量も測定できる。
■「3日ほどで設置できる」
マニュアルには、測定装置やコンピューターの組み立て方、システムの設定方法をまとめた。同機構・東北農業研究センターは「半日あれば組み立てられる。細かい設定や設置までみても3日ほどでできるだろう」とみる。
システムは複数棟に対応できる。材料費は1棟分で1万9910円、3棟分で3万7730円、6棟分で6万4460円と試算する。別に、Wi-Fiルーター(3ギガバイト程度)の費用が1カ月に1000円ほどと見積もる。ハウスに電源がない場合は太陽光発電を設置して給電するとし、この費用は3万円ほどという。
安価に作れるため、市販の測定システムを割高に感じていた農家が導入しやすくなると同センターはみる。「自宅からハウスが遠い人や、ハウスが分散している人に特に試してみてほしい」という。
- スマホ操作の水管理機器 米農家から注文続々 安価でシンプル ホクレン(2021年8月20日)