[ニッポンの米]フレコン+庭先訪問 集荷率97%維持 千葉・JA成田市
JAは約25年前から30キロ袋ではなく、1トンのフレコンバッグでの出荷を奨励。バッグは無償で提供し、5、6年前からは米をバッグに詰める装置「フレタンク」を40台そろえ、希望者に年間1万円で貸し出す。その結果、フレコン出荷は7割に達する。高齢化による離農を防ごうと庭先集荷にも力を入れ、集荷全体の2割を占める。
集荷した米の品質管理では、関東最大規模の「自動ラック式低温倉庫」(保管量2100トン)を17年に稼働。1200トンを保管できる別の自動ラック式低温倉庫を含め、管内4カ所に低温倉庫を完備する。フレコン導入以降、集荷量は増え、「現状の低温倉庫では足りないほどだ」(営農指導課)という。
これらの取り組みで生産者との信頼関係を築き、24年産米は管内の450人と6240トンの出荷契約を結び、6042トンを集め、集荷率は97%を達成。近隣の動向を踏まえ、8月上旬に示した買い取り価格(60キロ当たり2万500円)を柔軟に変更。8月下旬に2万1100円に引き上げたことも奏功した。
25年産は前年並みの6300トンを集荷目標に掲げる。ただ、管内では生産者に60キロ当たり2万5000円を上回る買い取り価格を提示する商系業者も現れるなど、早くも集荷競争が熱を帯びている。営農部の宍倉儀明部長は「主食用に加え、加工用も高く買ってもらえるよう働きかけたい。対話を通じてJA出荷のメリットを訴え、一俵でも多く集めたい」と強調する。
(志水隆治)