ザンビアでの実証がJ-Partnershipに採択、ウガンダにも展開
株式会社Path Being(本社:神奈川県小田原市、代表取締役:伊藤淳)は、経済産業省が推進する令和7年度「J-Partnership(社会課題解決型国際共同開発事業)」において、ザンビア共和国にて実施するバイオ炭プロジェクトが採択されたことをお知らせします。本事業では、現地で発生するアボカド加工残渣などを原料とし、土壌改良とカーボンクレジット創出の両立を目指した実証を行います。
土壌劣化と気候変動が直面する農業の危機
ザンビアの農業現場では、長年の栽培による土壌の有機物減少に加え、気候変動に伴う降雨パターンの不安定化などにより、作物収量の低下と安定生産の困難化が深刻な課題となっています。特に、化学肥料の高騰が農家の経営を圧迫し、持続可能な農業の実現が困難な状況です。

ザンビアの土壌の実態
中型・可搬型の炭化機を活用したバイオ炭製造と普及モデルの構築
Path Beingは、こうした農業課題の解決策として、ザンビアの農産物加工企業Luano Honeyと連携し、現地で発生するアボカドの搾汁繊維残渣などを活用したバイオ炭の製造・供給を開始します。
本プロジェクトでは、アフリカの農村部でも導入可能な電力負荷の小さい中型・可搬型の産業用炭化装置を用いることで、信頼性と生産性を両立したバイオ炭生産体制を構築します。
製造されたバイオ炭は、Luano Honey社が有する農家ネットワークを通じて安価で農家の手に届きやすい土壌改良材として供給され、現地での施用方法の確立や効果検証も同時に進めていきます。
現地企業との連携による実装力
Luano Honeyは、ザンビア国内で蜂蜜生産、アボカド栽培・加工、肥料原料の販売などを手がける農業系企業です。
また、同社はザンビアおよび周辺諸国(コンゴ、ボツワナ、ナミビア)に向けた肥料成分の販売ネットワークを有しており、本事業で生産されるバイオ炭の広域普及が期待されます。

アボガド事業
ウガンダ産コーヒーの再生農業モデル
なお、同時期に採択された経済産業省の令和7年度「アフリカ市場活力取り込み支援事業(AfDX)」においても、Path Beingはウガンダにてバイオ炭事業を実施しています。主申請企業であるValue way社の取り組みの一環として、Path Beingは現地の欧州系大手コーヒー輸出企業と連携し、中小規模農家が生産するコーヒーの精製工程で発生するコーヒーハスク(外皮)を活用したバイオ炭の製造と、土壌改良材としての農地施用実証を主導しています。また、同プロジェクトには、株式会社坂ノ途中のコーヒー事業部「海ノ向こうコーヒー」も参画しており、日本市場における脱炭素型コーヒー流通の可能性もあわせて検証されます。
【PR Times】令和7年度経済産業省 アフリカ市場活力取り込み支援事業,通称 AfDXに採択
今後の展開
本事業を通じて、Path Beingはバイオ炭の社会実装を進めるとともに、カーボンクレジット制度への登録に向けた測定・報告・検証(MRV)体制の構築にも取り組みます。将来的には、地域の農業生産性向上と土壌再生、そして脱炭素の同時実現を目指し、他のアフリカ諸国へのモデル展開を視野に入れています。
※本事業は、経済産業省の令和7年度「技術協力活用型・新興国市場開拓事業費補助金(通称:J-Partnership)」の支援により実施されます。
会社概要
会社名: 株式会社Path Being
代表者: 代表取締役 伊藤 淳
設立: 2022年
事業内容: バイオ炭製造・カーボンクレジット開発・農業支援事業など
Webサイト: https://www.pathbeing.com
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