当牧場は総面積370haで、日本短角種を中心に夏山冬里方式の100%自給飼料による牛肉生産を行っています。放牧を主体として生産された牛は「北里八雲牛」として商標登録されており、2009年10月には肉用牛で我が国初となる「有機畜産物JAS認証」を取得、一切の化学肥料、農薬を使用せず、完全な有機的管理をした牧場内生産飼料だけで牛を育てています。
また、同大学の獣医学部学生はもとより、医学部学生も当牧場で実習をするそうで、「農医連携教育」として生命と自然生態系の保全を体感する中で、将来の医師としての自覚を促すことを目的として実施されているということでした。
のんびりと草を食む牛たちですが、草を引きちぎる音が牛の旺盛な食欲を感じさせました。小笠原先生の研究のひとつとして、牛舎と放牧場を自由に行き来できるようにしたところ、何と牛舎の中で牧草を食べることを好む牛の方が多かったそうです。そして、その牛舎から生産された堆肥は全く臭いが無いどころか、良い香りさえするのにも驚きました。
研究生の藤本さんが牧場で焼いてくれた牧草肥育の北里八雲牛ヒレステーキは、軟らかで香ばしく赤身肉らしい味わいで正に絶品でした。八雲牧場の皆さん、大自然の恵みをご馳走様でした。
公益社団法人全国食肉学校
専務理事学校長
小原和仁