令和5年次の全国の和牛と畜頭数50万6677頭のうち、中央・地方卸売市場経由が20万6593頭、そのうち東京食肉市場は8万6768頭で、和牛と畜頭数全体に占めるシェアは17.1%、うち卸売市場に占める割合は42.0%と、全国で一番多くなっています。日本一の上場数を誇る東京食肉市場では、平日に毎日セリが行われます。ありがたいことに全国各地から数多くの生産者が東京食肉市場に牛を出荷してくださります。
生産者が手塩に掛け育てた牛を我々仲卸業者はお客様に合うお肉(枝肉)として目利きし競り落とします。牛は工業製品ではなく生き物なので、同じ血統の牛が同じ餌を食べても肉質が異なります。仲卸業者にとって、しっかりこだわりを持ち目利きするのが大切です。
また仲卸業者は、生産者と消費者を繋ぐ大切な役割を担っています。我々がずさんな管理をするとお肉としての価値を落とすだけでなく、せっかくいただいた牛の命までも無駄にしてしまいます。温度や衛生管理など常に気を張り、お肉と向き合うことが重要です。弊社は消費者に安全な食品を製造・提供するために食品の安全を認証する国際規格(SQF)を取得しています。
生産者は牛と向き合い、我々仲卸業者はお肉(枝肉)と向き合い、販売・調理される方は素材として真摯に向き合えば必ず消費者においしい和牛が届きます。

公益社団法人全国食肉学校 総合養成科第57期卒業
株式会社吉澤畜産 取締役
吉澤鴻志