【北大阪】JA北大阪が農研機構と共同開発した機能性表示食品「農協のスーパーすぎるごはん」が介護食業界などから注目され、新たな販路が生まれている。行政や企業などと連携し、高齢者の栄養摂取を推進する在宅栄養ケア推進基金(高知県)が「低栄養を防ぎ、健康寿命の延伸に結び付く」として、同商品に着目。薬局や食堂に活用を勧め、取り扱いが始まった。
同商品は白米に混ぜて炊き、血糖値の上昇を穏やかにするなどの効果が期待できる。そうした特徴を同基金は高く評価。「身近なご飯で食物繊維を豊富に摂取でき、血糖値の急上昇抑制も期待できる」と高知県内の調剤薬局に薦め、3月から販売が始まった。
基金の冨田実理事は、同商品を広げることについて「農業振興につながり、地方創生を目指す私たちの理念と合う」と話す。「医福食農連携で高齢者のフレイル(心身虚弱)予防に取り組みながら、持続可能な地域社会を築きたい」と考える。
管理栄養士と管理栄養士を目指す学生らが共同でメニューを考案する「健康志向食堂」(高知市)でも、同基金の働きかけによって、1月から同商品を弁当などに使うようになった。
管理栄養士の中内玲奈さんは「病気のせいで食事が嫌になってほしくない。この商品は見た目も良く、おいしくご飯を食べてもらえる」と評価する。
基金と協働し、高齢者の健康支援型配食サービス事業を全国展開する企業、シニアライフクリエイトも商品の試験運用を検討している。
<ことば>農協のスーパーすぎるごはん
JA北大阪が研究栽培した玄米と、農研機構が開発した大麦などをブレンドした商品。2022年に発売。JA全農の通販サイト「JAタウン」、同JA管内の直売所などで扱っており、発売以来約3500個(6袋入り・1袋28グラム)を売り上げる。