【富山】農業とスポーツ双方の社会課題の解決を目指す「日本アグリスポーツ協会」が29日、富山県射水市で発足した。使われなくなった畑を生かして農業や陸上教室を開く一般社団法人2団体が創設し、今後は農家や企業、団体に呼びかけて「オーナー制のアグリスポーツ畑」に取り組む予定。活動の輪を県内外に広げていく。
陸上教室を営む「アスリッシュ」と、食育を通じた地域貢献に取り組む「とやまのめ」が協会を旗揚げした。両団体は射水市内にある古民家と、隣接する耕作放棄地(約6000平方メートル)を拠点に、農業体験と、陸上競技の体づくりや駆けっこなどを組み合わせた親子教室を開いてきた。畑の整備や畝作り、種まき、収穫まで計5回の教室に延べ150人が参加してきた。
アスリッシュ代表理事の西村顕志さん(28)が会長、とやまのめアグリスポーツ担当の石井湧人さん(30)が副会長、同代表理事の中谷幸葉さん(31)が監事に就いた。
耕作放棄地の活用に悩む農家や農業団体、スポーツ団体に取り組みへの参加を呼びかけていく。協賛企業を募集し、企業名を冠したオーナー制の「アグリスポーツ畑」を設けることも検討する。
この日はデモンストレーションで県内の学生と一緒に、畑を走った。富山情報ビジネス専門学校の紺野康翔さん(18)は「砂浜でも走ったことがあるが、畑はさらにきつい。体力づくりにもっと活用したらいい」と話す。
今後、全国に活動の輪を広げていきたい考えだ。問い合わせはアスリッシュ、(電)050(3577)6430。