岩手県大船渡市で２６日に発生した山林火災は２７日も続き、自衛隊などが消火活動をしたが、鎮火には至っていない。県などによると、焼損面積は６００ヘクタール以上で、少なくとも８４棟の建物が延焼しており、被害はさらに広がる可能性がある。１３４０世帯３３０６人に避難指示が出ている同市に本店を置くＪＡおおふなとは、生産者の安否や被害の全容を把握すべく対応している。





　【岩手・おおふなと】大船渡市で２６日に発生した山林火災で、地元のＪＡおおふなとでは、生産者の安否確認や被災者支援を急いでいる。避難指示が出ている同市三陸町綾里地区には、現金自動預払機（ＡＴＭ）や倉庫などＪＡの施設があるものの、鎮火のめどが立たず、被害状況は確認できていない。




　ＪＡ職員は全員無事で、消防団で消火活動や被災者支援に当たる職員も多い。ＪＡでも２７日、避難所になっている２公民館に県産米計３００キロを提供した。

　火災で印鑑や通帳を失った利用者には２８日以降、本人確認を行うなどして現金の払い戻しに応じる他、建物共済の契約者への対応も急ぐ。

　被災地域では、タマネギや菌類シイタケなどを営んでいる。ＪＡでは、避難が長期化する恐れもあるとみて、避難所などからの要望に引き続き対応していく方針だ。


　総務省消防庁は青森、宮城、秋田、山形、福島、栃木６県に緊急消防援助隊の出動を要請。活動規模は計１９０隊６８０人となると発表した。政府は首相官邸に情報連絡室を設置。石破茂首相は２７日、報告に訪れた池田達雄消防庁長官に「しっかり消火活動に取り組んでほしい」と指示した。


　林芳正官房長官は２７日の記者会見で、岩手県大船渡市の山林火災を受け、周辺住民に対して「今後も自治体の避難情報に十分注意し、安全確保を最優先に行動してもらうようにお願いする」と呼び掛けた。首相官邸の危機管理センターに設置した情報連絡室で情報収集を進めていると説明。「地元自治体と緊密に連携し、必要な支援を行っていきたい」と述べた。