3日、千葉県在住の80代男性からJAえちご上越に「ウェブサイトで注文を進めたが、途中で英語表記になった。どうしたらいいか」と問い合わせがあった。「代表連絡先」の番号にかけたと話すが、同JAが運営するサイトではなく、米の供給もしていなかった。
報告を受けた同中央会も同様で、公式ホームページ(HP)の情報が無断で使われていることも分かった。
同JAの広報担当者は手続きを止めるよう男性に伝え、被害を防いだ。男性は「フェイスブックに表示された広告を見て思わず注文した。JAマークがあったから信じた」と話していたという。

当該サイトに当たると、JAマークとJAグループ新潟の文字、「新潟米こしいぶき」と書かれた袋の写真がトップページに表示される。単一原料米で、価格は1袋(5キロ入り)2100円。送料は300円。倉庫内にうず高く詰まれた米袋や「新潟米」と表示された米袋の写真もあり、備蓄米を連想させる。
購入者が商品を評価するコメント欄では、販売者としてJAグループ新潟が返信していた。だが、中央会の担当者は「当該サイトで返信したことは一切ない」と話す。
中央会は新潟県警察、日本サイバー犯罪対策センターの「悪質ECサイトホットライン」に通報。公式HPを通じた注意喚起の他、助言を基に当該サイトへの対応を進めた。海外のネット回線事業者を特定して違法サイトの存在を伝え、削除を要請。6日に削除された。
全国の消費生活センターに寄せられた情報によると、米のインターネット通販に関する相談が4、5月で計335件あった。2カ月で2024年度の計337件に迫る勢いだ。商品が届かない、事業者と連絡が取れないといった相談がある。
国民生活センターは「新しい手口ではない。以前はブランド品に多かったが、今は米。ニュースバリューがあるうちは便乗した詐欺が横行するだろう」と警戒を強める。不自然に安いサイトは特に注意し、商品を注文する前に事業者の情報などを確かめるよう促す。
(大高摩彩)