エゾシカ資源化 任せて 皮、角、脂…丸ごと利用、廃棄減 北海道中標津農高・肉加工研究班
食品ビジネス科肉加工研究班が「エゾシカをプロデュース2021~SDGs(国連の持続可能な開発目標)に基づいた“まるごと”活用の推進」をテーマに研究を進めてきたもの。
同町では、年間1000頭を超えるエゾシカが駆除・狩猟されている。そのほとんどの肉がペットフードに加工される。皮や角、脂身などは、産業廃棄物としてごみ処理される実態を生徒が、どうにかしたいと考えた。
10年ほど前から研究を手がける同班は、「鹿肉の大和煮」「なかしべつシカホエーカツ」などの創作料理をその年ごとに開発してきた。ロースなどの高級部位でなく、筋や硬い部分が多いすねなどを生かしたドライソーセージに加え、地元小中一貫校の計根別学園生と挑戦した「鹿肉ジャーキー」を新千歳空港などで配り高い評価を得てきた。
皮革は生徒らの手で小銭入れやキーホルダーに、脂身はキャンドルの原材料として活用できるようになった。
同校は「厄介者といわれるエゾシカを丸ごと活用することは、環境保全と地域資源の教材にもなっている」とする。
同校の取り組みは、第27回コカ・コーラ環境教育賞で、企画・研究推進部門最優秀賞と環境大臣賞となった。地域課題の解決に向けた地道な活動が評価された。