伝統産地のトマト農家が語る 「アグリーフ」を使用した環境配慮、収量増、経費節減を実現した栽培法とは

木下さんと使用中の「アグリーフ」



空飛ぶトマト農家、土耕栽培にこだわる


 愛知県豊川市は、国内では他地域に先駆けてミニトマトの栽培が始まった土地だ。そんな同市麻生田の木下和司さん(52歳、以下:木下さん)は、航空業界にいたという異色の経歴を持つミニトマト農家だ。35歳で両親の後を継ぎ就農、24㌃の温室でミニトマト「TY千果」を土耕栽培する。8月に定植し翌年6月末に収穫するという栽培サイクルのなか、時々ヘリコプターで空の散歩を楽しんでいる。「農業の基本はあくまで作物が持つ能力を可能な限り引き出すこと。そのためには土耕栽培に限る」と考える木下さん。その土耕栽培で「収量」、「機能性」、「食味」を最大限に引き出すことを目標にしている。その一環で元肥、追肥、葉面散布材それぞれ、独自に配合し施用するなどの工夫を重ねている。

 木下さんのような篤農家を多く抱える伝統産地の豊川市産トマトは、市場で評価が高く、価格も他の地区に比べて高い。一方で産地が誇るトマトの土耕栽培の将来について木下さんは「生産者の高齢化や人手不足などにより、地域の栽培方法が、近年注目を集める閉鎖型の植物工場へ移行したら、今まで蓄積してきた農家の技術も失われてしまう。災害時の停電などへの対応も新たに発生する」と、不安を抱える。

 そんな木下さんが、将来も土耕栽培の伝統産地を支える一策になると考えているのが、施設園芸用向けの二酸化炭素(CO2)貯留・供給装置「アグリ―フ」だ。

 木下さんが「アグリ―フ」に出会ったのは、JAひまわり管内の近隣トマト農家のハウスだった。トマトの樹勢の良さに驚いた木下さんが栽培の秘訣(ひけつ)を聞いたところ、ハウスに設置されていた「アグリ―フ」を紹介されたのだ。木下さんは「苦労して追肥や葉面散布していると同様の樹勢を、二酸化炭素発生機だけで実現できていると感じた」という。早速昨年10月「アグリ―フ」を導入、土の上部に灌水(かんすい)チューブを設置して放出させる局所施肥をはじめた。今年3月までの収量は、前年比120%以上となった。木下さんは、この結果に大いに満足している。さらに土耕栽培ならでは味の良さも実現。以来、「ミニトマトを食べてリピーターとなる人が続出している」(木下さん)。また、「スーパーで購入したトマトはもう食べられない」「トマト嫌いの子供から木下さんのトマトなら食べられる」といった声も聞こえているという。こうした言葉に木下さんは、「本当に農家を継いで良かった」と実感している。
潅水(かんすい)チューブから放出される二酸化炭素を確認する木下さん



「アグリ―フ」購入の決め手!SDGs(持続可能な開発目標)の実現


 従来の「燃焼型の炭酸ガス発生機」は燃料として灯油を炊かなくてはいけない。木下さんは「10㌃あたり年間約10万円は燃料代としてかかりコストアップの要因となる。わざわざ灯油を燃やさず、暖房機の煙突から出ている二酸化炭素を利用できないか」と考えていた。「アグリ―フ」は今ある重油燃焼式暖房機に取り付けるだけで不純物を除去し植物の肥料となる二酸化炭素だけを排出する。4月以降、暖房を炊かなくなったら空気(平均二酸化炭素濃度450PPM)をパイプから放出させ二酸化炭素を補う、理にかなったシステムだと感じている。また施用する二酸化炭素が常温まで冷えているため、散布機近くのトマトの葉焼けも無く、ハウスの温度を無駄に上昇させることもない。木下さんはSDGs(持続可能な開発目標)を実現している農家といえる。

 木下さんが就農する以前にも木下家には施設園芸向け二酸化炭素供給装置があった。しかしいつ、どのような状況で、どの程度の二酸化炭素を施用したら良いかが不明確であったために、効果が上がらずに途中で使用を中止し、廃棄した経緯がある。今ではそんな疑問点が解明され二酸化炭素施用の効果が確認されている。

 ガスボンベによる生の二酸化炭素施用の方法も考えたが、年間費用が20万円程度と高額なために中止した。

 木下さんは「アグリ―フに出会って自分の目標とする土耕栽培において最大収量の実現、食味の良さ、地球環境の維持改善を実現できるのではないか」と話す。さらに「農家といっても地球の住人、地球環境への負荷を少しでも減らす努力をすることは必要。二酸化炭素供給機を新たに購入検討している農家にはこんな素晴らしい機材があることを紹介したい」と話す。
収穫間近のミニトマトを確認する木下さん



「アグリ―フ」とは


 「アグリーフ」は、自動車の部品メーカーのフタバ産業が開発した商品。同社の独自のコア技術である、排ガス浄化、ガス吸熱、熱マネージメント―――などを生かした、灯油などの燃料を使用しない次世代型の炭酸ガス発生・供給機材。具体的な仕組みと特長は次の通り。日中は、ハウスの暖房機の排ガスから窒素酸化物(NOx)などの有害成分を除去した上で二酸化炭素を取り出し、そのまま局所的に施用する。夜間には、暖房時に二酸化炭素を回収し、浄化、貯留することと併せて、日中に貯留した二酸化炭素を局所施用する。二酸化炭素の再利用のため新たな燃料を必要としない。このため大気中への二酸化炭素排出量も削減できる。もちろん、年間の灯油代金がかからないのでコスト削減にもつながる。


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フタバ産業
愛知県額田郡幸田町大字長領字柳沢1-1
TEL0564-56-0506

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