食品通販市場4兆円超 20年度 コロナ下、勢い続く
矢野経済研究所の調査によると、20年度は初めての緊急事態宣言が出た4~6月に巣ごもり需要やまとめ買いが急増し、長期保存ができる米や飲料などが大きく売り上げを伸ばした。外出自粛の長期化で、在宅時間を充実させたいニーズが増加。高品質な食品のお取り寄せ需要が高止まりしている。
チャンネル別では、ショッピングサイトが40%、班配と個配を手掛ける生協が37%を占めた。20年4月以降の食品の電子商取引(EC)市場について同社は「ここ数年では前例がない数の新規参入が見られた」と指摘。百貨店のECサイトをはじめとしたグルメ系や、生鮮食品や酒類のECの増加が目立つ。コロナ禍で外食業界が打撃を受け、飲食店による冷凍総菜の加工販売や、飲食店向け業務食材の家庭向け販売が加速した。
21年度の市場規模は前年度比3・5%増の4兆4576億円と予想。同社は「外出控えで食品通販の需要は高止まりの状態が続いている」とみる。