オーストラリアの酪農家、36%が転換前向き 課題に高齢化、人手不足
2023年に147戸に聞き取った。回答者の飼養頭数は55~3500と幅広く、平均は381頭だった。
今の経営状況の良し悪しを聞くと、良い45%、普通36%、悪い19%となった。だが、全体の72%が何らかの大きな問題に直面していると回答した。
全体の36%が、もし国の補助金や支援があれば、園芸品目など他の経営への転換を検討したいと回答した。既に7%は他品目との複合経営(乳肉複合は除く)をしていた。転換を考える理由として挙げられたのは、高齢化と健康面の課題(16%)、労働力不足(14%)、コスト増(12%)、収益低下(8%)――などだった。
調査結果には農家の生の声も載せている。「牛乳は値上がりしているがコスト増加分を賄えていない」「労働時間が長く、家族との時間が取れない。スタッフも見つからない」「全てが気象条件と生乳価格に左右される。暗い日々を過ごした」など。一方、「他の農業より安定した収入がある」「今は牛乳価格が高く、業界にとどまるのに最適な時期」との声もあった。
成果は国際学術誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。同国の酪農の農場数は4420(22年)で、10年前から34%減少している。