直売所の恵み移動販売 農産物100品、新鮮さ好評 東京・JA八王子「旬菜号」
【東京・八王子】JA八王子の移動直売車「旬菜号」が、高齢者や地域住民に好評だ。JAの農産物直売所から新鮮な野菜や切り花、地元産の牛乳、卵など約100品目の食品を積み、八王子市内を巡回。売り上げも客数も増え、農業者の所得増大と地場産野菜のPRの他、地域貢献につながっている。
当初は週に8カ所で販売していたが、地域の自治体などから要望を受け、現在は16カ所を巡回する。
住民の高齢化や商店が減った地区を中心に、昨年からケア付き高齢者住宅「明日見らいふ南大沢」へも出店する。同施設には約300世帯の高齢者が住む。各住居で自炊ができるため、生鮮食品の需要がある。地元スーパーの移動販売車が撤退したことから、施設運営者が同市へ相談し、「旬菜号」が巡回することになった。巡回日はいつも盛況で、販売時間中は利用者の列が絶えない。
利用者は「移動販売が来てくれると、歩行器やつえを使っていても、自分で品物を選んで買い物ができるからありがたい。質も良く、野菜が新鮮で長持ちする」と喜んでいた。
2023年7月の売り上げは、18年同月と比べ1・5倍に増えた。客数も同様に伸びている。
JAは今後も移動販売ならではの環境適応力を生かし、販売場所や商品の選定など消費者のニーズを捉えて運用を続ける考えだ。