![地域発 未来へ](/media/2023/04/02/l/20230402_sch3orq1h18fjcjxpeqr.jpg)
忍シリーズは、JAが2012年に立ち上げた。厳しい栽培基準や出荷規格を満たした野菜が中心だ。米と茶に次ぐ「第3の特産品」を目指し、野菜の産地化に取り組む中、管内産の野菜をブランド化し、生産者の所得向上につなげるのが狙いだった。
![研修会で「忍葱」の生育状況を確認するJA指導員と生産者ら(滋賀県甲賀市で)](/media/2023/10/15/l/20231015_g4nwmvvfwxapdtcbftxf.jpg)
JAは「“忍者の野菜”というキャッチフレーズで売り込みやすい。実需や消費者の興味を引き、取引を進める上で追い風になる」(園芸特産販売課)と手応えを見せる。
忍シリーズは現在、主力の白ネギやニンジンに加え、ピーマンやキュウリなど計10品目から成る。取り組み開始時の2品目から大幅に増加。県内のスーパーや飲食店、JA直売所を中心に販売している。地産地消、国消国産にもつながる取り組みだ。
販路の拡大に合わせて取り組むのが生産振興だ。特に主力の「忍葱」では、夏場の雑草管理や冬場の防除対策など、栽培管理が難しい節目ごとに栽培講習会を開き、収量と品質の安定につなげている。また、温度や水管理が難しい育苗作業の負担軽減に向け、21年からJAで苗をあっせんすることで、増産につなげている。
生産者からは「労力が軽減できる」「栽培に意欲的に取り組むことができる」との声が上がる。
22年度の忍シリーズの生産者数は35戸。取り組み初年の12年度(約10戸)から大きく伸びた。栽培面積も12年度(3・8ヘクタール)から6・8ヘクタールに広がった。
JAは「消費者からは味も大変おいしいと好評だ。今後も生産を増やして販路を拡大しさらなるブランド化を進め、生産者の所得向上につなげていきたい」(同課)と意気込む。