農業者の高齢化などが進む中山間地域にある同市。JAは、就農意欲のある人材を市内外から呼び込み、農業研修生の受け入れや就農に向けた支援を積極的に進める。新規就農者には、特に市場の評価の高い「トマト」、比較的安定した収益を見込める「イチゴ」、地域の特性を生かして周年栽培として産地化が見込める「ホウレンソウ」の施設栽培3品目を推奨している。
JAを事務局とし、奥三河地域の7団体で組織する「新城設楽地域担い手育成総合支援協議会」が就農に向けた支援を担う。就農希望者には、就農候補地の仲介や機械・資材の導入サポート、栽培や経営の指導、各種農業制度資金などの金融・借受手続きといった支援に加え、住居の紹介など暮らしに関するサポートもする。
さらに、経営面での不安を解消するため、品目ごとに経営開始1年目の収支や1年間と1日のスケジュールを、先輩生産者のデータを基に提示。農業者としての生活や仕事をイメージしやすくするように工夫する。
今秋に同協議会が開いた就農林相談には、4組8人が参加。協議会メンバーである奥三河地域の市町村が個別ブースを出展して地域の実態を来場者に説明したり、就農した先輩のインタビューや地元の名所を紹介したPR動画などを上映したりした。JA担当者は総合相談窓口や市町村ブースで、栽培品目や経営指標、補助金などの支援内容を解説し、就農希望者の意向を確認した。
JAは今後も、産地維持に向けた担い手確保のため、品目別の現地説明会の開催などを予定する。地域ぐるみで新規就農者を受け入れ、定着を目指していく。