兵庫、種雄牛に2頭 「群抜く霜降り」「バランス型」
県や県内JAでつくる県肉用牛改良有識者会議が選抜した。「悠森土井」は、さしの入りが良いのが特徴。産子15頭の枝肉成績を見る現場後代検定では、脂肪交雑基準(BMS)ナンバーは7・9だが、種雄牛が持つ遺伝的能力を格付けする育種価では、脂肪交雑が県内で上位1割に当たる「A+」ランクを獲得した。
2018年に香美町の森脇雄一さん方で生まれ、父は「芳悠土井」、母の父は「丸富土井」。父牛は18年まで県の基幹種雄牛で、脂肪交雑の育種価が県内トップクラスだった。
「杉広土井」は、枝肉重量やロース芯面積、脂肪交雑など6形質の育種価が全てBランク以上とバランスの良さが特徴だ。父は「西杉土井」、母の父は「丸富土井」で、18年に新温泉町の田中孝広さん方で生まれた。
ロース芯のさしの細かさを示す「細かさ指数」や、口溶けなど風味に関わる脂肪の質を示す一価不飽和脂肪酸(MUFA)割合でもAランク以上を獲得した。
兵庫県の「但馬牛」は、県外産牛の血統を一切導入しない「閉鎖育種」を全国で唯一行う。県は常時、基幹種雄牛12頭を所有。待機牛7頭の中に成績が勝る牛がいれば入れ替わる仕組みだ。今回は「丸春土井」「藤彦土井」と交代した。