水稲約300ヘクタールを作付けする同市の「農業生産法人かぬま」は、自社分と他の農家に販売する分を合わせて、苗箱で約7万4000枚を育苗する。そこで重宝しているのが「アグロボ(TST―1000)」だ。本体から左右に伸びる腕部分に10枚ずつ苗箱を載せると、腕を傾けて地面に降ろしていく。マルチフィルムの敷設も自動だ。
同法人の青山賀一さんは「なくてはならない機械。古いためにトラブルは多いが、代わりがない」と話す。汎用(はんよう)部品などを自前で交換しながら維持している。
同法人では、本体の操作や監視に1人、フォークリフトでの苗箱運搬に1人の計2人で、1日最大3200枚を並べる。以前、アグロボが故障した際には、小型で半自動の整列機を使って6人がかりで作業した。
製造したスズテック(宇都宮市)によると、今も動いているのは同法人と、JA鳥取中央の育苗センターだけ。アグロボには苗箱を積む専用の鉄製コンテナが必要だが、より軽く扱いやすい樹脂製コンテナに移行し、アグロボも使われなくなっていったという。
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