JA選果場から動物園へ 廃棄野菜を餌に 九州西濃運輸と農中が連携
九州西濃運輸が、通常の輸送ルートを走る途中で選果場に寄り、野菜のコンテナを混載して動物園に翌日届ける。動物園は配送料のみ払う。農林中金は取り組みに参加したいJAと動物園とのマッチングを進める。
2月から先行して、長崎県JA島原雲仙の2つの選果場を回り、ニンジンとブロッコリーを長崎バイオパーク(西海市)へ運んでいる。従来はJA管内の一農家がバイオパークへ運んでいたが、運送大手が担うことで大容量を安定的に運べるようになった。
バイオパーク飼育展示課の大久保亨平次長は「輸送費が上がり輸入野菜も高い。旬の野菜を鮮度が良いまま食べられ、動物たちも幸せそうだ」と喜ぶ。農林中金長崎支店は、エサ代削減分と農家の選果場の利用料低減分を合わせ、年100万円以上の経済効果があると試算する。
九州西濃運輸は近く、同JAから福岡市の動物園への試験輸送も始める。営業推進部の森部英人次長は「既存の輸送網にのせるだけなので無理なく実現できる。全国へ事業を広げたい」と構想する。