同社は2024年6月に登記し、8月1日から事業を開始。組合員50人で、代表社員(組合長)1人、役員計7人を置く。現在、正職員9人、業務委託契約の3人をヘルパーとして登録。JAが同社から会計事務を受託している。
前身のヘルパー利用組合は30年前に結成。肉用牛ヘルパーでは珍しく、肥育農家で組織され「畜産農家でも休みが取れる」と、後に繁殖農家や一貫経営の農家も参加した。旧旭志村からJA管内へ範囲を広げて、当初10人だった組合員は50人に増えた。ヘルパーを増やし、利用回数も月4回以上と定めることで、安定雇用につなげた。
雇用者が増え、社会保険の整備やインボイスへの対応などの必要性から法人化に着手。大塚祐次組合長とJA畜産課の三池塁さんらが、組合員へ説明を重ねた。
必要な書類を作成した三池さんは「当初思っていたよりも大変だった」と話す。難しかったのはヘルパーの雇用条件の策定で、雇用契約書などを社労士や行政書士らの助言を得て作成した。
会社になることで、法人税の発生や利用料の消費税分の値上げはあったが、会社化前後で組合員数や利用状況に変化はないという。
大塚組合長は「(ヘルパーの利用で)休めるのが、後継者が他の地域よりも多い理由の一つ。社会保険を整えたことでヘルパーを増やし、農家の要望にさらに応えたい」と意気込む。
(柴田真希都)