8月の生ジャガ輸入倍増 通年解禁・道産不作で
生鮮ジャガイモ輸入は、ほぼ全量を米国産が占める。米国産は、政府が2006年、ポテトチップス用に限り輸入を解禁。病害虫のジャガイモシロシストセンチュウ未発生州に産地を限る他、日本国内のポテトチップス工場を臨海部に置くなど条件がある。年間輸入量は4万トンを超えた17年をピークに減り、20年は2万3198トン。
輸入時期は、国産の端境期に当たる2~7月だけとしていたが、政府は昨年2月、通年輸入を解禁。解禁2年目となる今年8月は、前年比2・2倍の輸入量を記録した。
他の輸入品は「船舶やコンテナ供給の停滞で輸送遅れが常態化している」(輸入業者)。ジャガイモもその影響が表れた可能性もあるが、昨年は輸入がゼロだった9月も今年は一定量ある見通し。
背景にあるのは、国産の不作だ。今夏は、ジャガイモ主産地の北海道が記録的な干ばつに遭った。ホクレンは「供給計画は下方修正となり、取引先が必要とする量に100%応えるのは難しい状況」(玉ねぎ馬鈴しょ課)としている。
大手菓子メーカーのカルビーは、「ジャガイモ関連製品の原料を100%国産化する目標を掲げている」(広報課)とした上で、道産の作柄を踏まえ、「安定調達に向け、輸入品を含む機動的な対応の検討を進めている」(同)と説明する。