石川県輪島市の白米千枚田で１０日、ボランティア約１００人が田植えをした。１１日も含めて、２０２４年の倍の２５０枚に「コシヒカリ」を作付けする。

　管理する白米千枚田愛耕会は今年から農薬を使わず、有機肥料での米づくりに挑戦する。伝統的農法の継承と千枚田の価値向上が狙い。一方、毎日活動する会員は震災前の半分の５、６人で、金沢市から数時間掛けて通う日もある。広報を務める堂下真紀子さん（４１）は「復旧が進んで全面での作付けが可能になっても、耕作者が少なくて全面に田植えできない」と話す。

　今年作付けする２５０枚は、全体の４分の１相当となる。奈良市から来た小学２年生の古川晶さん（７）は「全然水が入っていない田んぼがあった」と話した。

　同会は能登半島地震後の２４年は１２０枚を修復して栽培。約１・３トンの米を収穫後の同年９月、豪雨災害が発生した。あぜが大きく壊れるなど地震を上回る被害が出た。同会や全国のボランティアが用水路を改めて直し、田を修復してきた。