米国産ジャガイモ・スモモ増 輸入緩和・解禁受け
米国産の生鮮ジャガイモは、ポテトチップス用に限って輸入が認められている。これまでは国産の端境期に当たる2~7月の期間限定だったが、政府は昨年2月、通年での輸入を解禁した。今年は解禁2年目。
8月の輸入量は前年の2・2倍に相当する3289トンで、9月は前月に比べて2割増となった。干ばつに見舞われて供給が不足する北海道産の代替として輸入された。
大手菓子メーカーのカルビーによると、昨年度の国産ジャガイモの調達量は約34万トン。うち7割が北海道産だ。同社は国産の調達について「例年に比べ約10%の減収を見込む」(広報部)と説明。輸入品については「追加購入は検討しているが、今後の状況に応じた対応を実施していく」(同)と話した。
米国産スモモの9月の輸入量は56トンだった。国内の生産量(2020年産1万6500トン)と比べると少ないが、売り込みを掛ける量販店も出てきた。
米国系会員制量販店「コストコ」は9月からカリフォルニア産の販売を開始。農業生産工程管理(GAP)の国際的な認証である「グローバルGAP」を取得したもので、「日本初上陸」とうたい、1パック(900グラム)980円で販売している。
カリフォルニア産の出回り時期は5~10月で、国産スモモと重なることから、競合に懸念の声も上がっている。コストコホールセールジャパンは「今月中旬まで販売する予定」としている。