酪農家 経営良好ほど…うつ病リスク 農場運営の負担大? 北大調査
研究グループは2018年10月、道内2町村の酪農家の男性80人、女性1人を対象に、米国の国立精神保健研究所が開発した手法でうつ症状のテストを実施。うつ病発症のリスクや症状があると評価された人の経営を分析した。その結果、リスクがない人より、①所得率が高い②濃厚飼料の給与量が多い③乳質が高い――ことを確認した。
同大学の加藤博美研究員は、所得率が高く、管理の行き届いた農場を運営するために、経営者や従業員の努力や負担が大きくなっていると推察。「メンタルヘルス(心の健康)に悪影響を与える経営要因を理解することが、酪農家を支援する政策や仕組みをつくるために重要」と強調。改善のため、ストレスを発散できる環境づくりや、作業の自動化技術導入などの必要性も指摘した。研究は同大学と日本赤十字看護大学、日本大学で実施した。