春先から初夏にかけての気温が年々上昇する中、この時期に旬を迎える国産メロンを使ったかき氷など「ひんやりスイーツ」が続々登場している。大手コンビニのアイス商品も好調な販売を見せるなど、暑さを逆手にとって加工品の裾野が広がっている。
気象庁によると日本の春の平均気温は上昇傾向で、2023年春は1898年の統計開始以降最高となった。春のアイス消費も伸びている。総務省の家計調査によると、2023年5月のアイスクリーム・シャーベットの平均支出額(2人以上の世帯)は13年比で4割増。旬の国産メロンも冷たさを打ち出したスイーツが増えている。
茨城産メロンを使ったかき氷(銀座コージーコーナー提供)
洋菓子専門店の銀座コージーコーナー(東京都中央区)は、茨城県産メロンの果肉を使ったかき氷をカフェ・レストラン併設店舗で5月26日から期間限定で販売している。以前のメロンスイーツはパフェやスムージーが定番だったが、5月の気温上昇でかき氷の需要があるとみて、昨年から販売を始めた。昨年は「夏本番前の時期にしては多い杯数が出た」(同社)とし、今年も一層の販売の伸びを期待する。
セブン-イレブンの静岡産クラウンメロンを使ったアイス(セブン&アイ・ホールディングス提供)
セブン―イレブンは4月、冷凍果実を食べているようなアイス「まるで」シリーズで、静岡産クラウンメロンのストレート果汁を使った「セブンプレミアム銀座千疋屋まるでクラウンメロン」を発売した。アイス商品の販売が年々伸びていることに加えて「共同開発した銀座千疋屋やシリーズへの信頼感もあり、販売は好調」(セブン&アイ・ホールディングス)だ。
八天堂の静岡産クラウンメロンを使った「まるでアイスなくりーむパン メロン」(同社提供)
クリームパンなどを製造・販売する八天堂(広島県三原市)は、凍ったまま食べられる新感覚スイーツパン「まるでアイスなくりーむパン」の新フレーバーとして、静岡産クラウンメロンを使った商品を開発。4月から全国のファミリーマートで先行販売している。同社は「メロンの爽やかな風味が初夏にぴったり」と薦める。