JA嬬恋村 大田でキャベツ売り込む 相場安定へ出荷平準化
嬬恋村は標高700~1350メートルに位置し、JAは東京ドーム600個分に相当する2880ヘクタールでキャベツを生産。出荷は6~10月で、1850万ケース(1ケース10キロ、15キロ)と前年計画並みの出荷を計画する。
作柄についてJAは「定植期の凍霜害もなく、適度な雨や気温上昇で順調」(販売課)と話す。今週の出荷量は1日5万ケース程度。7月以降ペースを上げ、最盛期の7月末から8月には20万ケースを連日、全国へ出荷する。
近年の販売は苦戦気味で、3年連続で農水省の緊急需給調整事業の活用を余儀なくされた。対策として「ピークのヤマが極力なだらかになるよう、作付け段階から生産者に呼びかけてきた」(同)。
6月25日の日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は1キロ74円と、平年比10%安。東京青果は「終盤産地の残量があり、岩手・北海道産も順調で産地が重なる期間が長い」とした上で。「高値が続いた店頭も適正価格に落ち着いてきた」として、需要拡大に期待を寄せる。
セールスでは、買参人に浅漬けの試食を振る舞った。JAの黒岩宗久組合長は、生産資材や運賃の上昇など産地事情に触れ、「日本の食料事情を守るため、市場、仲卸と産地の共存共栄は不可欠。全力で出荷するので力添えをお願いしたい」と、販促を呼びかけた。