「夏越ごはん」は、6月30日に残り半年の無病息災を祈る神事「夏越のはらえ」にちなんだ行事食。神事に使う茅(ち)の輪をイメージして夏野菜を丸く調理したものを雑穀ご飯に載せる。米の一大消費イベントに育てようと米穀機構が企画し、11年目を迎える。
米穀機構によると、今年の提供店舗数は、前年実績の477店舗を上回る見込みで、普及に協力する神社も140に増えた。家庭でも楽しんでもらおうと、ウェブ公開するレシピ数も14に拡充した。
テイクアウト需要を捉えようと、スーパーで「夏越ごはん」の提供が広がる。イトーヨーカドーやダイエーが一部店舗で「夏越ごはん」の弁当を提供する他、米卸のミツハシは関東を中心としたスーパー100店舗で、さらに手軽な「夏越ごはんおにぎり」を売り込む。30日まで。
ランチやカフェ、社員食堂、福祉施設などでも「夏越ごはん」の提供店舗数が増加傾向だ。毎年提供している洋食店が今年、カレーにアレンジした新作を開発するなどの広がりも出ている。米穀機構は、米や夏野菜を使った「夏越ごはん」は栄養バランスが良く、「暑い夏を乗り切るメニューとしても好評」とみる。
(鈴木雄太)
