導入された選果機は、ベルトコンベヤー上で回転させながらリンゴの周囲360度の画像を150枚撮影し、色やサイズ、糖度の他、傷やさび、へこみを自動で判定する。モモシンクイガの幼虫の侵入痕といった1ミリ程度の傷でも選別できる。
全長は約50メートルで、設置工事などを含めた導入費用は約3億円。農産物の生産や国内外での販売を手掛ける日本農業(東京都品川区)が導入し、9月下旬に稼働を開始した。出荷されたリンゴを作業員がベルトコンベヤーに1個ずつ載せると、36ある等級に自動で選別され、作業員が段ボールに詰める。従来は100トンの選果・梱包(こんぽう)に20人で約40時間かかったが、40人で9時間程度で済むようになった。
同社の選果機は欧州の他、米国やアジア、アフリカなど数十カ国で導入され、かんきつや梨などにも使用できる。同社エンジニアのミフュー・クーベイ氏は「他国と異なり直径10センチを超えるリンゴも多いが、問題なく画像判別できている。導入先のニーズに合わせて精度などを調整できる」と話す。
