<最新>有機資源の肥料活用を 土づくりフォーラム
同社は廃棄物の収集などを手がける。スーパーや学校給食などの残さを年間約4000トン回収し、半年ほどかけて堆肥化する。地元の農家らと「風早有機の里づくり推進協議会」を設立し、堆肥を使ってタマネギなどを育てる。残さの処理で問題になる臭いは「初めの1、2カ月でいかに発酵を進めるかが重要」と指摘。同社はその期間に切り返しの回数を増やすなどし、消臭剤を使わずに済んでいるとした。
東京農業大学の後藤逸男名誉教授は、下水汚泥は多くが焼却処理され、2022年の調査では肥料への利用率は13%だと指摘。下水汚泥を堆肥の代替として使うとリンが過剰になるとし、リン酸ベースで10アール当たり10キロを目安に、化学肥料と併用して施用することを勧めた。
日本有機資源協会の柚山義人事務理事は、家畜の排泄物や食品残さなどをメタン発酵させて生成するバイオ液肥について紹介、朝日アグリア開発部の小林新部長は、堆肥と化学肥料を合わせて製造する混合堆肥複合肥料の動向を報告した。
シンポジウムは東京都千代田区の会場とオンラインで開き、200人以上が参加した。