日本農業新聞が主催する「一村逸品大賞」が２０２３年度で２０回を迎えました。５月９日に開いた日本農業新聞全国大会の表彰式では、２０回を記念して、審査委員長を務める漫画家のやくみつる氏が考案したオリジナルのキャラクターデザインを公開しました。過去２０回の受賞商品から、特に印象に残った１０点を厳選した「やくみつるセレクション」も発表しました。記念販売イベントも５月１０日から３日間、東京都内で行いました。１１日には、やくみつる審査委員長が来店し、一村逸品大賞の魅力や意義を語りました。これまでの取り組みや反響などを振り返ります。

第２０回、節目の表彰
やく氏〝セレクション〟も

　東京・紀尾井町のホテルニューオータニで５月９日に開かれた日本農業新聞全国大会で、第２０回一村逸品大賞の表彰式が行われました。式典で、２０回を記念して審査委員長が厳選した「やくみつるセレクション」を発表しました。

▶第20回 受賞品目一覧
（2024年5月9日・特集）

　セレクションは過去に大賞、金賞、優秀賞（審査員特別賞を含む）を受賞した１２０を超える商品から、審査委員長が特に印象に残った商品を１０点を選びました。既に販売が終わった商品などもありましたが、現在販売中の商品から、主菜、畜産物、野菜、調味料、デザート・菓子、飲料にカテゴリーを分けてセレクト。

　やくみつる審査委員長は「選ぶのに本当に苦労しましたが、この中から選んでもらえば一食が完成するように選びました」と述べました。

初の販売イベントも
東京・秋葉原　やく氏も駆けつけ

　東京・秋葉原の日本百貨店しょくひんかんで５月１０～１２の３日間、２０回記念の販売イベントを行いました。受賞商品を一堂に集めた販売会は今回が初めてです。第２０回と過去の受賞商品から、販売の意向のあった商品をそろえました。「やくみつるセレクション」からも９点が出品され、計１９点が店頭に並びました。

　店内では、商品の特徴をパネルや手書きの店内広告（ＰＯＰ）で紹介。「畑わさベーゼ」や「おてつめカフェオレあん最中」「黒糖バター」「ケッコーイケてるシュシュプリン」「黄金の雫　梨ロールケーキ」などは、来店者に商品を試食をしてもらいながら、魅力をＰＲしました。

　２日目の１１日には、やくみつる審査委員長が来店し、商品の魅力を消費者に伝えました。群馬県のＪＡたかさき、埼玉県のＪＡさいたま、群馬県上野村、岩手県・岩泉ホールディングスのスタッフらも店頭にＰＲに駆け付けました。

　ＪＡたかさき特販直売課の西島武課長は「大賞を受賞したことで、販促がしやすくなった」と手応えを語りました、

　ＪＡさいたま経営企画広報課の竹本彰課長は「ＪＡとして都内でこの商品の販促を行うのは初めて。ＪＡ管内の外で特産をＰＲできて良い機会となった」と感想を述べました。

▶イベントの様子はこちら
（2024年5月12日・総合1面）

受賞の反響は
「売上増」７割　知名度向上に一役

　日本農業新聞は今年４月、一村逸品大賞の過去の受賞者を対象にアンケートを行いました。４２の受賞者から、受賞後の販売動向や反響などについて回答がありました。

　受賞商品の売り上げに変化があったか尋ねたところ、「増えた」「大きく増えた」を合わせて７割超で販売が増加していました。受賞後、取引先の拡大につながったかどうかの質問では、「取引先が増えた」「取引先が大幅に増えた」との回答が６割を超えました。 　自由記述では「（受賞で）商品に箔（はく）が付いたことで売りやすくなった」「テレビ取材などの依頼が増えた」「農業者にアピールできた」「ＰＲに役立った」「視察研修に来る団体が増えた」「実際に手に取る消費者が増えた」「やくみつる氏のＰＲが効果があった」など、知名度向上につながったとする回答が目立ちました。