JA管内では「コシヒカリ」を主食用米の主力品種としてきたが、イネ縞葉枯病や猛暑の影響などで、収量の減少・品質の低下が問題視されてきた。そこでJAは「にじのきらめき」を推進し、19年産では7人の生産者が約16ヘクタールで試験的に栽培を始めた。
生産者や行政、関係機関と連携し、先進地を視察し、産地に合った移植時期や管理方法、適した肥料などを模索した。栽培講習会や実績検討会などを開き、情報発信や生産者の口コミなどで、年々面積は拡大した。
21年には、県内の量販店で取り扱いを始め、22年からは、京都府のそば店へ販売する。関西地域の量販店でも取り扱いが始まり、多い日には、約1000袋(1袋11キロ)を売り上げて、消費者からの評価も高い。
JAでの買い取り米の価格は、23年産「コシヒカリ」で紙袋60キロ当たり1万3500円(確認米1等)。「にじのきらめき」は、播種(はしゅ)前契約米1等で同1万2700円とした。
「にじのきらめき」の10アール当たりの収量は、直近5年平均で600キロを超えている。また、高温耐性に強いため、乳白粒や未熟粒などが少なく、「コシヒカリ」に比べ1等米比率が向上した。
JA明野普通作部会の大吉宏明部会長は「にじのきらめきは、安定した収量・品質が確保でき、所得向上も期待できる有望な品種だ。この品種とJAを信じて作り続けていきたい」と期待を寄せる。
JAの古澤諭組合長は「にじのきらめきの一大産地として、さらなる知名度向上を図り、販路を拡大したい。持続可能な農業の実現に向け、JAとしての役割を果たしていく」と意気込みを語る。