JA福岡京築 果樹部会で会社設立 作業受託、就農者に園地引き渡しも
同部会は87人が26ヘクタールでイチジクを中心に、桃や梨、ブドウ、柿などを栽培する。会社は現役の部会員7人で構成。部会内に設置した果樹サポート部を前身とし、意思決定が早くさまざまなサポートをするために3月に株式会社とした。
活動の一つは、果樹園の若返りだ。高齢化や後継者不足で耕作放棄地となった園地を利用権設定し借り受け、苗木を植えるなど整備してから新規就農者に引き渡す。園地を預ける地権者にとっても、ベテラン部会員が間に入ってくれると安心できるという。
果樹サポート部だった時を含め、約1ヘクタールの園地を借り受け、そのうち約60アールを新規就農者に手渡した。事業を利用してイチジク生産を始めた大田浩之さん(42)は「農業を始めてすぐに収入を得られた。法人がサポートしてくれるので安心して農業ができる」と話す。
もう一つの活動は、摘果や剪定などの農作業全般の受託。利用者は徐々に増え、現在10~20人から依頼がある。作業は、7人の構成員や会社が雇う臨時雇用らが対応する。
冬からは桃のジョイント栽培など、収益を高める新たな挑戦も始める。代表を務める鞘野正明さん(65)は「活動を京築全体で認めてもらい、次の世代に渡していきたい。若い世代が増えて刺激を与え合い今まで以上の果樹産地にしていきたい」と話した。
新田原地区は、過去には西日本一の果樹産地といわれたが、高齢化により栽培面積が減り、後継者不足も発生。産地維持が困難になっている。