農機転倒の恐怖を体感 岡山の販売会社が製作
農水省によると、2021年には乗用型トラクターの事故で58人が亡くなった。このうち7割は機械からの転倒・転落が原因だ。
乗用型トラクターは通常、圃場内では小回りを利かせるため、片ブレーキで作業する。同機では、ブレーキを連結しないまま圃場から道路に出てしまい、車体が傾いた際に、とっさに片ブレーキをかけて急旋回して転倒する様子を体験できる。7月に岡山市で開かれる農機展示会の安全研修でお披露目する。その後も要望があれば貸し出しを検討する。
山部修嗣社長は、県内で高校生が農作業事故で死亡した例もあることから、少しでも事故を減らそうと同機を5月に完成させた。前上がりに20度、左には28度まで傾く。シートベルトやヘルメットを装着して使う。「いつもの田んぼ、いつもの出口で事故をするわけがないという考えが一番危ない。事故の怖さを体感し安全対策を徹底してほしい」と呼びかける。