乳牛の体型管理 後ろ姿で脂肪判定 農研機構
腰角は、痩せているほど腰角周りの脂肪が減って尖った形になり、太った牛ほど脂肪が蓄積されて丸みを帯びる傾向がある。この形状から、体脂肪の蓄積具合を示すボディコンディションスコア(BCS)を正確に算定する技術を開発した。
BCSは値が高いほど脂肪が蓄積されていることを示す指標。例えば、乾乳期前のBCSは3~3・25が理想とされる。今回の技術の判定精度は、どのタイミングでもプラスマイナス0・2前後の誤差で判定可能。研究機関の専門家でも判定する際に生じるとされる誤差0・25を下回る。
BCSの判定は、乳牛の複数部位の目視と触診で行われることが多く、知識や経験が必要だった。今回の技術を使えば誰でも正確な判定ができ、適切な栄養管理や繁殖成績の向上に役立てることができる。
開発を目指すスマホ用アプリやソフトでは、搾乳ユニットや自動給餌機設備に組み合わせて撮影できるようにし、省力的に判定できる技術の研究も進める。
同様の判定装置は、海外製の3Dカメラを使った製品が市販化されている。だが、乳牛を横から撮影する必要があり、つなぎ飼い牛舎の多い日本では導入に向かなかった。