[論説]わくわく「こどもの日」 五感使い田んぼにゴー!
気温がぐんぐん上がり、田植えをしたり、夏野菜の苗を植えるシーズンになったね。田んぼや畑、ハウスなど、作業をする場所はそれぞれ違うから面白い。君なら、どんな農作業をやってみたいかな。もし分からないなら、何でも挑戦してみたらいい。近くにあるJAで、田んぼや畑に行って農業を体験できるチャンスもあるよ。お父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃん、身近な人に問い合わせてもらおう。
「でも、私、田んぼに行ったことがないし」「泥の中にはだしで入ったこともない」。そんな君でも大丈夫。農業体験ができるところには、必ずJA職員や農家といった“農業のプロ”がいるよ。
ねぇ、君。「五感」って知ってるかな? 視、聴、嗅、味、触という五つの感覚のことを指すよ。ちょっと難しいけれど「見る」「聞く」「(匂いを)嗅ぐ」「味わう」「触る」こと。農業体験は、この体の感覚が活躍するんだ。
例えば田植え。思い切ってはだしで田んぼの中に入ってみよう。どんな気持ちがするかな。ぬるぬる、ぬめぬめした泥に触れると、最初はなんだか気持ち悪いって思うかもしれないけれど、不思議なことにどんどん、気持ちよくなる。温かい泥に手を突っ込み、苗を植えるのも楽しくなってくるよ。くたびれたら腰を起こして、あたりを見渡してみよう。風に揺れる緑の苗が目に映り、その美しさと自分で植えたんだっていう達成感が合わさって、疲れも吹き飛んじゃうよ。スマホの画面からは絶対に感じられない空気や草木の匂い、鳥のさえずり、たくさんの虫たちに触れ、深呼吸したくなるよ。その感覚、忘れないでほしいんだ。
畑で土と向き合えば、色や手触りの違いに気付くよ。土の色も赤や黄、真っ黒まであるし、触るとねちねちしていたり、さらさらしていたり。ふかふかの土だってある。見て触って匂いも嗅いで、どんな野菜を植えるとよく育つのか、それも“農業のプロ”に聞くといい。ハウスで育ったキュウリやトマトをその場でもぎ取って食べてごらん。新鮮で、みずみずしくてびっくりするよ。嫌いだった野菜も好きになるかもね。
スマホを置いて、田んぼや畑に触れてみたら、いつの間にか目も耳も鼻も手足も、体の感覚が研ぎ澄まされていくよ。さあ、きょうは田んぼや畑へレッツ・ゴー!