
食と農の分野でも環境負荷低減や脱炭素化が求められる中、ラボでは先進事例など最新の動向を共有。課題解決に役立つ技術やサービス、販路を持つ企業と生産現場のマッチングも担う。枝元真徹前農水事務次官が代表を務める。

枝元代表は「農業経営と地域を持続可能にし、食と農を未来に引き継ぐために力を合わせていく」と強調。日本農業新聞の田宮和史郎社長は「みどりGXの種がまかれ、実になるように、しっかりと学びと交流、仲間づくりに取り組む」と述べた。
横山紳農水事務次官やJAふくしま未来の西幸夫常務が現場の情勢や実践事例を報告した。
パネル討議で確認
西常務と永島さんの他、横山紳農水事務次官、ラボの運営委員を務める東京農業大学の入江満美准教授がパネル討議に臨んだ。
「みどりの食料システム戦略」の実践について事例報告した西常務は、環境負荷を低減した食料生産の重要性を認識しつつも「農家の所得や適正な農畜産物の価格形成につながるのか不透明」と、成果が見えづらいことを指摘。情報共有の場としてのラボの役割発揮に期待を込めた。

永島さんも消費者理解の大切さを主張。農業を営みながらマルシェも開いてきた経験を踏まえ、「新鮮で良いものの価値を分かってもらうことが大事」と話した。
入江准教授は、農業由来の温室効果ガスの排出削減や生物多様性に貢献する農水省の「みえるらべる」を例に挙げ、消費者が選びやすくなる情報発信の大切さを訴えた。